【東京五つ星の魚料理】日本料理 > 江東区
深川 志づ香
【ふかがわ しづか】
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「寸止め」の料理が光る個性的な店
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繁華な街なかにあるわけではなく、店もひっそり目立たない。でもここは間違いなく、真正の割烹料理店だ。主人の静武徳さんは、自身も以前たしなんだ経験から「料理は陶芸に似ている」という。作陶する際のタブーはいじりすぎること。料理もいろいろやりすぎると、素材を生かすどころか殺す羽目になってしまう。足し算よりも、ある時点ですぱっとやめる引き算、これが大事だ。穴子の焼き方は焼き目か焦げか、そのぎりぎりくらいが最良だが、ちょっとでも外せば一瞬でおしまい。刺身は客に合わせて、食べたときにちょうどいいころ合いの大きさに引く。
おまかせは、そんな加減を見極めた7品8種。料理は全体に香りよく、濃くはないがしっかり味がある。なかでも主人みずから「これを作ったときは自分で自分をホメた」という、カキのうに焼きがすばらしい。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071067 |