【東京五つ星の魚料理】フグ料理 > 中央区
吉星
【きちせい】
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料理をさらに引き立てる器、内装
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賑やかな甘酒横丁から1本外れた静かな道に面して、道標めいた石柱に「吉星」の名を刻み、植込みに丈高い竹を繁らせて、落ち着いたモダン和風の店が建つ。暗灰色と褐色の壁に挟まれた奥に玄関を開く造りは簡素ながら、懐石料理の店にふさわしく、さりげなく高級感をまとっている。
「さっぱりした造り」が店のコンセプト、と主人の奥山武さんが語るとおり、壁と天井の白に黒い椅子、テーブル、床に黒い敷石や玉砂利を配した内装は、シンプルななかに細心の配慮を感じさせ、外観との調和も取れて美しい。
フグは瀬戸内海産、豊後水道産を下関や築地から取り寄せ、むろん養殖ものは使わない。甘さや歯ごたえのころ合いを計りつつ、さばいてから3日ほど寝かせる。よそに比べて甘くないポン酢は、手搾りの橙がメイン。こんな「仕事」をし尽くした味が、当店の目には見えない看板だ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071022 |