【東京五つ星の魚料理】フグ料理 > 墨田区

向島はしもと
【むこうじまはしもと】

夏にも冬と変わらぬフグを

10年間フグの修業を積んだ当主・橋本直久さんが、平成５年に開いた店。以来今日まで主人は仕入れと仕込み、調理を、奥さんの早苗さんは接客を担当する。

一帯は向島の三業地といっても立地的に恵まれているわけではない。だから主人は「わざわざやって来る客のために、素材を、天然ものを大事にする」という。丸で仕入れる天然のフグはその日のうちにさばいて目利きして、モノに合わせて１～３日寝かせて使う。一人で３００㎏も搾った橙汁をベースに、ポン酢は毎日その日の分だけ作る。

「余計なものを加えない」ことを基本に、使用する調味料は塩・醤油・味醂くらい。どのフグ料理も素材のよさが生かされて淡泊で甘く、上品な味は舌に残ることなくさわやかに消えてゆく。５月中旬～９月限定の「夏ふぐコース」では、冬と変わらぬ天然フグの味を確かめてみたい。