【すし手帳】魚卵など >
あなご


すし職人がこだわるタネの一つ。煮あなごに煮つめを塗る(上写真右)のが一般的だが、煮つめを塗らず塩だけをハラッと振る場合(同左)もある。すし全体のバランスを選ぶなら煮つめ、あなごそのものの甘さを好むなら塩がおすすめ。でも良質のあなご(写真は長崎県対馬産の選り抜き)ならどちらで食べても、口に入れた瞬間にはらはらと溶ける、ふっくらやさしい食感は変わらない。梅雨から盛夏にかけて、しっかり脂がのってくる。なお地方名の「はかりめ」は「秤目」、つまり一列に並んだ側線の孔を、棹秤の目盛りに見立てたところから。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003087 |