【全国五つ星の手土産】近畿 > 奈良県
ぶと饅頭[萬々堂通則]
【ぶとまんじゅう】

古都・奈良の歴史をしのばせる
春日大社ゆかりの唐風揚げ菓子
![ぶと饅頭[萬々堂通則]](../img/d054/temiyage258.jpg)
「ぶと」は「」と書き、春日大社の祭礼の際に供えられる神撰菓子。米の粉を油で揚げたもので、元々は飛鳥・奈良時代に伝来した唐菓子の一つだった。
江戸時代後期創業の萬々堂通則は、春日大社の許しを得て、この神撰菓子を元にした饅頭を作り上げ、ぶと饅頭と称した。中にこし餡を入れて揚げて砂糖をまぶした、いわば和風餡ドーナツというべきものだが、味は意外にあっさりとして、小豆餡の風味がよく生きている。
両端をひねった和紙に包まれた姿も、神撰菓子の風情を伝えて奥床しい。遠い昔、揚げ菓子など珍しかった頃には、滋養豊かな高級品として珍重されたこともあっただろう。
古都・奈良らしい銘菓も多い。青丹よしをはじめ和三盆糖の干菓子、地元の地名やゆかりの文物にちなむ創作菓子など、いずれも楚々とした風情をたたえている。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071857 |