【全国五つ星の手土産】近畿 > 京都府
茶寿器[甘春堂]
【ちゃじゅのうつわ】

本物の抹茶茶碗と見まがう
長寿を願う堅焼きの祝菓
![茶寿器[甘春堂]](../img/d054/temiyage228.jpg)
江戸後期から続く京菓子司。格式高い老舗だが、そこに意表をつくような遊び心溢れる創作菓子がある。茶寿器。箱を開けると、中に渋い焼き物が鎮座している。どう見ても抹茶茶碗だ。きれいな京干菓子が添えられ、食べられるのはこちらだけかと思えば、さにあらず。この茶碗、割って食べることができるのだ。しかも、ちゃんと抹茶をたてていただくことができる。
素材は寒梅粉や砂糖で、しっかりこねて実際の作陶のように整形。天日干しをして焼き上げる。優しい甘みにほのかなニッキの香り、抹茶をたてた後いただくと、その香も移ってより味わい深い。祝宴の献上菓として二代目の頃に創作され、以来、門外不出とされてきた。108歳の茶寿までもと延命長寿を願う心がこもる。 近年は洋風の西方瑠璃も登場。白いティーカップで、こちらも紅茶やコーヒーを入れて飲んだ後、割って食べることができる。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071827 |