【全国五つ星の手土産】近畿 > 京都府
かま風呂[大原女家]
【かまぶろ】

伝承の八潮のかま風呂を
うつした上品な饅頭
![かま風呂[大原女家]](../img/d054/temiyage227.jpg)
八坂神社を正面に見る四条通りに本店を構えて約110年。京都では格別古いわけではないけれど、京都の故事や史跡にちなむ創作菓子で人気を集めてきた大原女家の代表銘菓が、かま風呂だ。壬申の乱の頃、矢傷を負った大海人皇子(天武天皇)の治療のために里人がかま風呂を築いたという伝承にヒントを得て大正末期に考案されたという。かま風呂の形に姿よく焼き上げるまでには、多くの試行錯誤を重ねた。卵と蜂蜜が入った皮はしっとりすべすべ、中はさっぱりした白餡入り。ほのかな柚子の香りも味わい深い。ほかに黒糖風味の小豆餡入りもある。最近では一回り小ぶりの小、素材を特に吟味した吟上も好評だ。
もう一つ忘れがたいのが、その名もわすれ傘。知恩院の七不思議にある左甚五郎のわすれ傘にちなむ、傘の形の上品な最中は、佗びた持ち味の風趣ある一品だ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071826 |