【全国五つ星の手土産】東海 > 岐阜県
からすみ[佐和家]

海の珍味の代用品が昇華した
季節感も盛り込む中津川名物
![からすみ[佐和家]](../img/d054/temiyage190.jpg)
カラスミといえば、ボラの卵を使った海の珍味。と思いきや、中津川では米の粉を練って蒸し上げた棒状の菓子が、からすみと呼ばれている。その昔、山国の中津川では塩の道を通じて入るカラスミを、桃の節句の縁起物として珍重していた。しかし入手が難しく、各家庭では米の粉と黒砂糖で代用品を作っていたのだという。これをもとに、クルミやヨモギ、栗など主に季節の様々な素材を混ぜ込んだのが、お菓子のからすみである。
このからすみ作りの名人だったのが、佐和家の初代創業者サダ。大正5年(1916)に初めて店頭で商品として売り出し、その技法は現在もそのまま受け継がれている。全工程が手作業という職人技が光る一品だ。素朴な朝生菓子でその日のうちにいただくのがいちばんだが、かたくなった場合には焼いても美味。このほか、季節限定の栗こ餅や栗こ柿も作っている。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071789 |