【全国五つ星の手土産】関東 > 神奈川県
きび餅[小梅堂]
【きびもち】

大正の文豪たちにも愛された
素朴で優しい湯河原温泉名物
![きび餅[小梅堂]](../img/d054/temiyage130.jpg)
古い歴史を誇り、今も温泉街らしい情緒を漂わせる湯河原。そのいちばんの老舗・小梅堂は、大正初期の創業以来、夏目漱石や島崎藤村が訪れた名店としてよく知られている。きび餅は、初代小松清之助がこの地にふさわしい銘菓をと創製したもので、今日まで人気を保ち続ける湯河原みやげの定番である。
製法は、キビ粉と白玉粉を混ぜてふかして餅にして、黄な粉をまぶすだけと、いたってシンプル。特筆すべきは裏山の湧き水を使っていることくらいか。だが、材料の質を落とさぬよう心を配り、90年近くも変わらぬ味を守り続けてきたからこそ、湯河原に欠かせない名物になりえたのだ。素朴な味わいだが、ほんのり香る黄な粉の穏やかな甘み、ふんわり優しい餅の食感は、気分をほっとさせてくれる。三色温泉まんじゅうや羊かん、団子なども、この店ならではの優しい風合いの定番菓子だ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071729 |