【東京五つ星の魚料理】すし > 豊島区
鮨勝
【すしかつ】
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手をかけたすしの洗練と温かさ
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戦後間もなく、二代目現当主・宮下友孝さんの父が開業して以来、店は当地を動いていない。周辺は大塚の三業地だから、昔は待合などへの仕出しも多かったという。でも今は「池袋と巣鴨のとげ抜き地蔵さんに挟まれて、谷間みたいな感じです」と、宮下さんはちょっと寂しそう。
三業地はだいぶ寂れたかわり、わざわざ遠くから訪れる客が増えた。それはもちろん、しっかり手をかけた主人のすしに惹かれてのこと。
「すし屋の仕事は握る前の仕込みに手間と時間がかかる」といいつつ、タコを揉むのもアワビやイカを煮るのも、玉子を焼くのも飯を炊くのもすべて自分一人。それだけ素材を知りつくしているから、にぎりはどれもしゃっきりと品がよく、ばらちらしは洗練と温かさが同居するやさしい味だ。自分の住む町に、ぜひあってほしいと思わせる1軒。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071073 |