【東京五つ星の魚料理】フグ料理 > 港区
赤坂 鴨川
【あかさか かもがわ】
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「花板兼女将」が支える名店
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大菅孝子さんはスーパー女将だ。店は昭和43年、大菅正孝・幸子さん夫妻と、娘の孝子さんの3人で開業。孝子さんは中央大学商学部を卒業後、会計士志望から転じて店に入り、のち鴨川ひと筋。同59年にフグ調理師の免許を取った。今、昼は父と息子・亮輔さんともども包丁を握り、夜はきりりと着物姿で客と応対する。臼杵のカボスを搾って手ずからポン酢を作るのも、40年前から女将の仕事だ。
フグは大分と下関、築地から、そのとき最高の天然トラフグを身欠きや丸で仕入れる。特にふくさしみには、活けの天丸(活きた天然トラフグを丸ごと)しか使わない。市場で朝締めたフグを店でさばいて一晩寝かせ、翌日刺身に引く。やさしい歯ごたえ、舌に残らない上品な甘さが命。
「ふくの味と、場所が悪くて目立たないことが鴨川のいいところかしら」と笑う女将の粋なこと、凛々しいこと。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071032 |