【東京五つ星の魚料理】すし > 中央区
銀座 久兵衛
【ぎんざ きゅうべえ】
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誇りと暖簾にかけてすしを握る
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高級飲食店が妍を競う銀座の金春通りに5階建ての店舗(全フロアに客席がある)を構え、かつその建物は東京建築賞優秀賞、日本建築士会連合会優秀賞を受賞しているのだから、この店を単純にすし屋、とはなかなか呼び難い。すしの巨城、とでもいえばイメージが伝わるだろうか。
久兵衛の創業は昭和10年(1935)、二代目現当主・今田洋輔さんの父の壽治さんが西銀座に店を開いたことに始まる。屋号の久兵衛は壽治さんの愛称だったという。かつて北大路魯山人から「今様一心太助」と呼ばれて愛された先代の気質は、二代目にもしっかり受け継がれているようだ。金額に関係なくとにかく一番の素材を求めるのは、それが店の立場、面子だから。仕込みでもルーティンな仕事ほど手を抜かない。幹も枝葉もおろそかにしない、二代にわたるこの信念こそ「久兵衛」の暖簾そのものといえよう。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071009 |