【東京五つ星の肉料理】牛肉料理 > 台東区
グリル グランド
【グリル グランド】

家庭的アレンジの料理がずらり

昭和16年(1941)、現在地に現在の建物で開業当時、周囲は隆盛な花街。だから商売は長いことお座敷への出前が中心で、店も芸妓さんを連れてお座敷洋食を楽しむ旦那衆などで賑わった。建物は20年ほど前にリフォームしたけれど、華やいだ雰囲気は今でもそこはかとなく残っているようだ。
経営は2代目の坂本譲一・洋子さん夫妻、3代目の良太郎・ますみさん夫妻が中心。だから下町らしくアットホーム、応対も気さくで居心地がいいが、料理への姿勢は厳しい。
牛は古いつき合いの卸から仕入れる国産和牛の最高級ヒレ肉のみ。豚はやわらかく脂が甘い、岩手県産の白金豚。鶏なら余分な弾力がなくて食べやすい、これも岩手県産の菜彩鶏。こんな素材を相手に、フレンチやイタリアンの修業もした3代目が腕を振るう。ソースや付け合わせの野菜類、細かいあしらいなど、家庭的で心利いた工夫に満ちた料理は、昔からの常連や観光客ばかりでなく、名の知れた多くの食通も惹きつけている。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070851 |