【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 大田区
かつ久
【かつきゅう】

さっぱり口が年輩客にも好評

田園調布駅の東、商店と住宅が混在するゆるやかな坂を下ったT字路の突き当たりに、連子格子の玄関周りに花や草木を植え込んだ純和風の店が建つ。ここに陣取って四半世紀あまり、「肉のことは肉屋よりもよくわかる」と豪語する店主・久保彭弘さんは、とんかつを揚げて40年の超ベテランだ。
鹿児島県産黒豚をメインに、その都度久保さんが自分の目で確かめて「よし」とした肉を、長時間熟成の自家製高級パン粉でくるみ、ラードにサラダ油を加えた揚げ油で香ばしく、さっぱりと揚げる。「たとえば特ロースなら7~8分。でも揚げ過ぎると衣がはがれちゃうから、最後はやっぱり勘かな」
久保さんが揚げた特ロースは、淡いピンクの切り口もつやつやと、匂いもあわせて目から鼻から食欲を刺激する。独自のスパイスを利かせたオリジナルブレンドのソースが、衣と肉にほどよくからんで飽きさせない。「毎日食べても胸焼けしないんだよね」と、年輩の常連客も多いという。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070845 |