【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 大田区
とんかつ 鈴文
【とんかつ すずぶん】

遅い脱サラ後に開いた異色の店

店主の鈴木靖夫さんは昭和14年(1939)生まれ。48歳のとき脱サラして、それまで24年間客として通っていた大森の「丸一」に弟子入り、7年半の間修業に明け暮れた。平成6年に55歳で独立し、同15年から当地に店を構える。ゆったり広い店内は明るく、黄褐色の天井や柱、カウンターやテーブルも清潔で気持ちがいい。テーブルにさり気なく飾ってある季節の花も、
鈴木さん自身の手活けという。
肉は岩中(岩手県産のブランド豚)の健康豚。パン粉は、地元のパン屋さんから仕入れるお気に入りのパンで作る。「植物油を混ぜると油切れが悪くなる」から、揚げ油はラードのみ。特ロースなら約180度の高温で9分、最後は勘で揚げる。
とんかつは、しっとりした肉、澄んだ白い脂身ともたっぷりジューシーで甘く、かりっかりの衣が香ばしい。ご飯は、新潟県岩船直送のコシヒカリの炊きたてだ。食べるほどに、ぴっかぴかのご飯の進むこと、進むこと。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070846 |