【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 千代田区
丸五
【まるご】

職人気質が伝わってくる店

分厚い一枚板のテーブルや壁の扁額、書など「かつ」の流れを汲む店らしい造り。「かつは低温、店は人」と標榜するとおり、立ち働く人たちは気さくできびきびと威勢よく、いかにも「職人がやっている店」らしい感じがきっぱりと心地いい。
一方、なぜ「かつは低温」なのか。豚肉は安全上からしっかり熱を通す必要があるが、当店のかつは厚いから、いきなり高温では中まで熱が通らない。それに第一、肉の持ち味をしっかり内部に閉じ込めるという大目的がある。
山形県平田牧場産、脂の質がいい三元豚(3種類をかけ合わせた豚)のずっしり厚い肉に糖度の低いパン粉をつけて、ロースなら12~13分、ヒレなら15~16分かけてじっくり揚げる。揚げ油はコーンサラダ油にごま油を1割ほど。淡い色合いのかつはごま油がほんのり香ばしい。口当たりさっぱり、でもたっぷり甘さを含んだロースかつを、毎度さん(常連)の女性が一人、さくっ、さくっと小気味よく食べる姿もよく見かける。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070830 |