【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 中央区
かつ銀
【かつぎん】

鍋仕立てのかつ丼に自信あり

昭和25年芝神明生まれの江戸っ子当主・鈴木祥司さんが、中学生時分に「将来はとんかつ屋になろう」と決めたのは、子どものころ、とんかつは何より食べたいごちそうだったから。名舗「かつ」での修業などを経て銀座の一角に堂々たる店を構える現在でも、鈴木さんは「自分が食べたいと思うもの」を提供することにこだわる。自分が食べたいと思うもの、それは、
注文を受けてから手づくりする揚げたて、焼きたての料理だ。
「6人の客がそれぞれ違う料理を注文しても、調理する時間を合わせて6人分一緒に出す、それがうちのもてなし方です」
色・味ともあっさりした衣と、淡泊でほうっと甘い脂身が上品な特ロースかつ。特選ローススペシャルを揚げたかつの歯切れがいい、柳川風鍋仕立ての特製かつ丼は、音も匂いも見た目もごちそう。老若の客が目を輝かせてかぶりつく、これら料理の数々は、店主のこの姿勢と、ブランドにこだわらず肉そのものを見極める目があってこそ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070817 |