【東京五つ星の肉料理】牛肉料理 > 中央区
銀座 岡半本店
【ぎんざ おかはんほんてん】

松阪牛を商いつづけて半世紀余

高級料亭「金田中」の姉妹店。店名は、創業した岡副家に作家・吉川英治が贈った餞の言葉「岡副の家業未だ半ばなり」から。店は7階が個室6室の座敷、8階はカウンターほかの椅子席と分かれ、すき焼きやしゃぶしゃぶなど鍋が中心の7階では松阪牛、鉄板焼きと炭火焼きがメインの8階では松阪牛と宮崎県の小山牛を用いている。看板の〈寿喜焼〉は都内には珍しく、鍋で焼くように調理する関西風。女将の山中秀子さんはじめ、
手練れの仲居さんが最後まで面倒を見てくれる。
鍋を熱して乳脂(乳房の脂身)を引き、端に置いたねぎの両端がぷちぷちし始めたら肉を入れて、上に量加減微妙なグラニュー糖と生醤油を振る。肉の周囲に昆布だしを注ぎ、一気に強火に。ころ合いを見て肉を返す。グラニュー糖からここまで、
ほんの数秒。滋味を増した手切りの肉は、リブロースならジューシーかつ歯切れよく、サーロインはふっくらと甘やかだ。肉汁で焼くざくが、主役に負けず酒にご飯に合う。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070815 |