【東京五つ星の肉料理】鳥肉料理 > 中央区
伊勢廣 京橋本店
【いせひろ きょうばしほんてん】

鶏肉を見極める目に定評あり

大正10年(1921)、先々代夫妻が日本橋蛎殻町の「伊勢廣」から暖簾分けして、本店と同じ鶏肉小売り店として当地に開業。店が焼鳥専業に変わって長い時を経た現在でも、鶏肉を見極める厳しい目は昔と変わらない。眼鏡に適った鶏を丸のまま仕入れ、フルコースでそのすべてを味わい豊かに楽しませてくれる(上記写真。手前の白い笹身から逆時計回りに肝、砂肝、葱巻、団子、皮身、もも肉、合鴨、手羽)。
備長炭の強火・近火で表面を一気に焼くため、全体に大ぶりな串はどれも匂いよく、しかもしっかり封じ込められた素材の滋味が、ひと口噛めば歯に、舌に滴るようだ。なかでも人気一番の団子はつなぎを使わず、鶏挽肉と麻の実、塩だけで作るつゆたっぷりのひと串。店独自の妙技と妙味をほおばりたい。
適量で表面をきれいに覆えるからと、塩は結晶がフレーク状の静岡産海塩、また野菜が少ないからと、コース途中には有機無農薬ベビーリーフ7種が供される濃やかさ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070818 |