【旬のうまい魚を知る本】 >
▼漁師の沖料理で人気

鳥取県岩美町で、ババア改めババチャンに再会した。あらためて観察すると、やっぱり怪魚である。頭の幅は幅広く、体は細長く縦に扁平。口が大きくて歯が鋭く、いかにも獰猛。つぶらな瞳がほかの造りとアンバランスで、それが妙に愛嬌になっている。ウロコは小さく埋没気味で、頭部と腹部にはウロコがない。体色は全体に褐色だが腹部は白色。その姿からキツネとも呼ばれるとか。「味がよいので、地元ではもともと人気があったんですよ。沖合底曳漁の漁師さんたちは、3日に1回は沖で鍋や甘炊きで食べていたと聞いてます」とババチャンの肩を持つのは、岩美町浦富で民宿「福の家」を切り盛りする福本則子さんだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070620 |