【旬のうまい魚を知る本】 >
▼大探検家は「異魚」を味わったか?

江戸時代の探検家・松浦武四郎は『西蝦夷日誌』の中で「異魚の上がることあり」と絵入りでハッカクを紹介している。この異魚がうまい。白身の脂は質がよく、姿に似合わぬ上品な味。それなのに見た目のあまりの迫力のため、以前は市場価値がなく、浜の人たちだけが食べていた。それが近頃では人気がありすぎて、めったにお目にかかれなくなった。ハッカクは沖合底曳網やカレイ狙いの底刺網で混獲され、総じて水揚量は少なく、今や「幻のハッカク」という。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070605 |