【旬のうまい魚を知る本】 >
▼塩焼きもよし、煮付けもよし

カスベの料理法はどの浜もたいして変わらない。体表のヌルヌルを包丁でこくようにして落とし、ヒレの部分を三角の形に落とし、残りの胴体部分は捨てる。ヒレの塩焼きもいいし、煮付けもうまい。特にダイコンと一緒に煮ると、ダイコンに味がしみてしみじみとした味に仕上がる。
肝を腹から取り出し、煮付けや刺身に利用する土地もある。ぼくは宮崎県日向の浜で、漁師が自分の肴用に用意していたカスベの肝の刺身を横取りしたことがある。その濃密にして底力のある味は今もって忘れられない。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070408 |