【旬のうまい魚を知る本】 >
▼産地ではセイコガニを好む

オスは甲羅の幅が15センチほどあり、メスは7~8センチ。メスは1年間卵を抱えてから産卵し、これを繰り返すことに栄養を使い、そのため成長が止まると考えられる。通常ズワイガニといえば、身がたっぷりと詰まっているオスをさし、メスは別の名で呼ぶ。都会ではこのオスが断然人気を集めるが、産地では少し様子が違う。たとえ身は少なくても、甲羅に張り付いた未成熟卵の内子、腹に抱いた成熟卵の外子の深い味を好むのである。メスはまた汁ものや鍋に利用すればダシもよく出る。石川県ではメスをコウバコ(香箱)ガニ、福井県ではセイコ(勢子)ガニと呼ぶ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070269 |