【旬のうまい魚を知る本】 >
▼食べている海藻によって殻の色が違う

サザエの観察は楽しい。たとえばフタにある渦巻き模様を見れば、そのところどころにある筋の数で年齢がわかる。また食べている海藻によって殻の色が異なる。アラメを食べていると殻が黄色味を帯び、テングサだと緑褐色になる。殻のらせん状の層は6階建て。その中にある身の末端のくるっと曲がったところが生殖巣。これが緑色ならメス、クリーム色ならオスである。それにしても殻のトンネルの奥から、ほろ苦くも美味なハラワタと、それにつながった生殖巣を取り出すむずかしさよ。「栄螺庵」という言葉があり、それは曲がりくねった道の奥にある庵を意味する。〔豆腐屋も納豆屋も来ぬ栄螺庵〕
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070262 |