【旬のうまい魚を知る本】 >
▼7000キロの旅から回帰するサケに感謝!!

サケ・マス類には降海型と陸封型がある。前者ではサケ、後者ではニジマスやイワナなどがよく知られている。天然のサケは川に生まれ、稚魚となって川を下り海で成長する。数年間回遊して成熟すると、生まれた川へもどってくる。人工ふ化された放流のサケは放流された川へともどってくる。日本で水揚げされるほとんどは、この放流されたサケといっていいだろう。
サケの「母川回帰」までの長期遠征は驚嘆に価する。日本を発った稚魚は、北東太平洋、アリューシャン列島、ベーリング海、カムチャツカ半島東方の沖合、北太平洋と移動し、千島列島に沿って南下して、多くは4歳の秋になって、生まれた、あるいは放流された川をめざして帰ってくる。実に7000キロの長い旅暮らしになる。
サケの「母川回帰」の能力は、その嗅覚によることがわかっている。川にはそれぞれ特有のにおいがあり、サケはそれをたよりに故郷にたどりつくのである。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070174 |