ローズベルト
【ろーずべると】
鈍感だったからこそ成功した!?
小児マヒで闘病生活を送ったり、世界恐慌や日米開戦という難題に取り組んだりと、苦労の多い人生を送ったように思えるフランクリン・ローズベルト大統領だが、意外にも彼は、いつも機嫌がよくて冷静だったという。なにしろ彼は、ホワイト・ハウスにいた間に眠れなかった夜は二晩しかなく、しかもその二晩は、邪魔が入ったために眠れなかったのだという。緊張や不安などの心理的原因で不眠となった夜は一度もなかったのだ。平穏な時代ならともかく、世界恐慌や戦争の最中に大統領という重職にあって、毎晩安眠できたというのだから、驚くほど鈍感で図太い神経の持ち主である。戦況が思わしくなかったときでさえ、楽天家の彼は、就寝前の日課だった切手コレクションの整理に熱中していたともいう。また、ある日、「気分がイライラしたとき、何をして気持ちを落ち着けますか」と質問されたとき、「口笛を吹く」と答えたらしい。「しかし口笛を聞いたことがありませんが」と再度問われると、「まだ吹いたことはないよ」と答えたという。要するにイライラしたことがないというわけだが、これほど楽天家だったからこそ、数々の危機を乗り切れたのかもしれない。しかし、その割には享年六三歳と短命であったから、実際は気を遣っていたのかもしれない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820969 |