マスクメロン
【ますくめろん】
「マスクメロン」の名の由来は、シマシマの「マスク」ではない
メロンの品種には皮がツルツルのタイプと網目の入ったネットタイプとがあるが、マスクメロンはネットタイプのなかでも最高級品である。一株につく実のうち、一つだけを残してあとは摘果、大切に育てていく。外国産メロンをここまでおいしくできる日本の栽培技術は誇りを持っていいものだ。皮よりも中身のほうが早く生長するため、内側から皮に圧力がかかることで皮にコルク質のネットが入る。基本的に、きれいにそろったネットが入っているほうが香り高く、味がいいといわれる。マスクメロンの特徴は、そのねっとりした口あたりと甘さにあるが、さらに香りのよさが持ち味だ。マスクメロンという名も、その香りがムスク(麝香=ジャコウジカから抽出した成分をもとにしたフレグランス)に似ているところからの命名だ。マスクメロンは強い芳香のあるメロンの総称として使われているが、日本で栽培されて出回っているのは、「アールスフェボリット(伯爵のお気に入りという意)」という品種である。名前の通りイギリスの伯爵家の農園でつくり出されたが、いまはイギリスでは栽培されていないという。イギリスのサッチャー首相(当時)が来日した折の晩餐会でデザートに出されたとき、彼女が味を絶賛したというから、日本のマスクメロンのうまさは本家のお墨付きといえる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820831 |