ボウリングシューズ
【ぼうりんぐしゅーず】
貸しシューズのデザインが「ダサい」のは、盗難防止のため!?
いくら貸しシューズとはいえ、ボウリングの貸しシューズにはあまりセンスが感じられないだろう。アンバランスな配色とデザインに不満を持っている人も少なくないかもしれない。さて、日本でボウリングが空前のブームになったのは、一九六〇年代。ボウリングは最先端のファッションとして人気を集めた。その流れのなかで、女子プロボウラーが履いたミニスカートが流行し、コカ・コーラを飲みながらのプレーを楽しむ若者がカッコいいとされた。それなのに、なぜシューズは「ダサく」なってしまったのだろうか。とあるボウリング関連組織の方の話では、「あえてダサくしている説」が有力だそうだ。それは、ブームによりボウリングシューズも人気を集めた結果、盗難事件が多発したのだという。確かに古着屋でごくたまに見かける昔のボーリングシューズは、おしゃれでカッコいい。欲しくなる気持ちもわからないでもない。しかし、経営者にとって貸しシューズは立派な収入源だから、それを盗難から守らなければいけなかったのだ。そして、経営者が思いついたのが「シューズをダサくする」である。もし誰も気に入らないように、とびきりダサいデザインならば盗難は起こらないだろう。履き心地が悪ければ欲しいと思わないだろう。たとえ持ち出されたとしても、奇抜な色づかいのものでは目立ってしまい、すぐに見つかるだろう。そういう発想により、ボウリングの貸しシューズはダサいものに大きくモデルチェンジし、現在にいたるというわけだ。その作戦が成功したのか、現在もボウリングシューズの盗難事件という話はあまり聞かない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820807 |