ホウレンソウ
【ほうれんそう】
「ペルシア草」は灰汁が強い
野菜のなかでは鉄分やビタミンCなどが豊富で、栄養価の高いホウレンソウ。原産地は遠くペルシア(現・イラン)で、西はヨーロッパ、東はネパール、中国と伝わり、中国から江戸時代の初期に日本へと伝わった。「ホウレン」とは中国語で「ペルシア」の意味(ネパールの地名という説もある)で、「ソウ(草)」は日本に入ってきてからついた。漢字では「菠薐」と書く。中国では「菠薐菜(ポアリンツァオ)」と呼ばれている。このホウレンソウは、灰汁が強いことでも有名だ。生で食べると大便が硬くなることでもわかる。だから下ゆでして水にさらしてから調理するのが基本だ。この灰汁は蓚酸と呼ばれるもので、尿路結石や腎結石などの原因にもなる。蓚酸を食べるときに、一緒にカルシウムも食べると、蓚酸を体が吸収するのを抑制する働きがあるため、ホウレンソウのおひたしにチリメンジャコを添えるのは理にかなっているといえる。ちなみに根元が紅色で薄くギザギザのある葉は東洋系のホウレンソウである。全体的に大きくて、葉が厚いものは西洋系である。東洋系と西洋系を交配したものもある。東洋系は灰汁が比較的弱く、西洋系は強い。また、改良種のサラダホウレンソウは灰汁が少なく、生で食べることもできる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820808 |