ホオジロザメ
【ほおじろざめ】
時速二五キロで突進してくる海の殺し屋
恐怖感を高まらせる独特の音楽とともに近づいてくる人喰いザメの映画といえば『ジョーズ』だ。大きな口のなかに見える尖った歯が不気味で、映画を見てから怖くて海に行けなるという人もいるという。ジョーズは、サメの仲間のなかで最も獰猛なことで知られるホオジロザメだ。全長四?五メートル、体重は一トンほどで、なかには全長八メートル、体重は三トン近くになるものもいる。化石種には一八メートルに達するものもいたといわれている。冷温帯地域の沖合から沿岸の水深一〇〇メートルあたりを遊泳しており、日本近海では中部以南の沿岸部に生息している。ときに人を襲うことでも知られる。ホオジロザメが普段獲物としているのはアザラシなどの海棲哺乳類や魚類で、マグロのような大型魚はもちろん、ときにはコバンザメも襲って食べるといわれる。遊泳中の時速は平均三・二キロだが、獲物に襲いかかるときの速度は一七?二五キロと一気にスピードアップする。人間ではオリンピック級の水泳選手でも時速八キロほどというから、その速さは想像できるだろう。獲物に近づいたホオジロザメは、吻ふんという上唇にあたる部分を持ち上げて、下あごを下げる。そしてあのギザギザになっている三角形の歯で獲物に喰らいついたら、もうどんな魚も逃れられない。しかし、そのホオジロザメは、マグロのはえなわにかかったりして捕獲されることもよくある。そのヒレはフカヒレとして、身はかまぼこの材料として有効利用されている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820809 |