ニュース報道
【にゅーすほうどう】
「警察は厳しく追及しています」は本当か?
新聞やテレビの報道などで、「警察は○○を厳しく追及していく見込みです」「厳しく追及していく方針です」などという表現が使われることがある。警察庁の話によると、警察の側からそのような表現はしていないという。「厳しく追及する」というのは、あくまで報道する側の表現であって、警察発表とは何ら関係がないらしい。司法・警察雑誌記者クラブに尋ねてみると、「厳しく追及する」という言葉の使い方に関する規定のようなものはとくにないという。記者の独自の取材による判断で書かれているのだ。実は、警察の側から発表される事件や事故の情報は、きわめて事務的なもので、形容詞などの情緒的な表現が含まれることはあまりない。むしろそういった表現は避けられる。したがって「厳しく」などという表現は、記者が取材をしていくなかでその都度判断して使っていくしかないのだ。だから、「厳しく追及していく」という表現が使われるような凶悪な事件であっても、社会的弱者や青少年が関わっている事件などの場合は、「慎重に追及する」という表現が使われることもあるということになる。基本的に新聞の記事は、「新聞倫理綱領」と呼ばれる新聞の憲法ともいうべきものをベースに書かれている。新聞のモラルはこの綱領を基準に考えられていて、表現などもこれを基準につくられている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820666 |