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雑学大全2生物の不思議 > 植物

チューリップ
【ちゅーりっぷ】

なぜ降雪地帯で育てるのがよいのか?

チューリップといえば春の花。そのため、チューリップの産地はと聞かると、気候の温暖な土地柄が思い浮かぶが、実際はむしろ雪の多い土地である。国内の切花の生産第一位は新潟県、第二位は富山県で、同じく球根の生産第一位は富山県、第二位が新潟県である(二〇〇六年)。日本有数の豪雪地帯で、寒い冬のイメージが強いこの二県が生産で一、二を争っているのは意外な感じだ。実は、チューリップ栽培に最も大切なのは温暖さではなく、「冬に適度な温度が保たれて気温の変動がないこと」なのであるしんしん降り積もる雪が、かえってこの二つの県をチューリップ栽培の適地としているのだ。積雪が地中の温度と湿度を一定に保ち、外界の気象条件の変化による影響を最小限にとどめるために、いい球根が育ち、いいチューリップが育つというわけだ。それだけではなく、球根が最も発育して大きくなる時期である四月下旬から五月にかけての日照時間が長いのも有利な条件なのだ。新潟市では、一九八九(平成元)年の市制施行一〇〇周年を記念して「市の花」を制定した。そして、市民の公募によって決定したのはチューリップだった。また、一九九九(平成一一)年には「チューリップ愛唱歌」もでき、音楽会や運動会などで歌われている。また、二〇〇七(平成一九)年の政令指定都市移行を記念して新しい市の花が公募されたが、ここでも過半数の得票を集めてチューリップが選ばれた。ちなみに、新潟県の県花もチューリップである。一方、富山県でも、チューリップ公園やチューリップが絵柄のふるさと振興切手も発行されたり、チューリップを目玉にした地域振興は盛んだ。富山県内のチューリップ球根の栽培面積はおよそ一八七ヘクタールで年間四〇〇〇万球以上を、新潟県の球根栽培面積はおよそ一六一ヘクタールで年間三三〇〇万球以上を栽培している。これは全国球根栽培数の約九割以上に当たる




東京書籍 (著:東京雑学研究会)
「雑学大全2」
JLogosID : 14820558

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編集:東京雑学研究会
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発売日:2004年8月
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