ちゃんぽん
【ちゃんぽん】
「ちゃんぽん飲み」は、必ずしも悪酔いするわけではない
いろいろなものを混ぜこぜにすることを「ちゃんぽん」という。居酒屋などで「とりあえずビール」とはじまり、日本酒、ウイスキー、焼酎といった具合に、次々と酒の種類を変えて飲むことも「ちゃんぽん」ということがある。さて、「悪酔いしないためにちゃんぽん飲みは避けたほうがいい」という話を聞いたことがあるだろう。酒の種類によってアルコール濃度が違うために、次から次へと違う濃度のお酒が入ってくると、肝臓がそれに対応しきれなくなるために、分解しきれないアルコールが蓄積し、悪酔いするというのである。しかし、ちゃんぽんで飲もうと同じ酒を飲み続けようと、血中のアルコール濃度が高くなることに違いはない。違いがない以上、ちゃんぽんで飲んだほうが悪酔いしやすいというのは、何の根拠もない説である。では、ちゃんぽん飲みをすると、なぜ悪酔いするといわれるようになったのであろうか。それは、単なる飲みすぎが原因なのだ。いろいろな酒を代わる代わる飲むと、つい飲みすぎてしまうことが多い。つまり、飲みすぎただけなのに、「原因はいろいろな種類のお酒を飲んだから」と思い違いをしてしまうのだ。また、「二日酔いに迎え酒」が効くというのもウソ。二日酔いはもっぱら、脱水症状やビタミン不足が原因と考えられる。だから、濃いお茶やコーヒーなどで水分をとったり、頭痛薬を飲むのは効果的であるが、お酒を飲むのは症状が治まるどころか、悪化する危険もあるのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820554 |