頭痛
【ずつう】
冷たいものを食べると頭が痛くなることを、「アイスクリーム頭痛」という
アイスクリームやカキ氷などの冷たいものを急いで食べると、頭がキーンと痛くなる。そんな体験は誰も経験しているだろう。もちろん海外でも同じようなことは多く、これは「アイスクリーム頭痛」という名前で世界的な医学書にも載っている。痛みは通常数秒から数十秒で消え、とくに体に影響はないらしい。原因としては、現在のところ二つの説がある。一つめは「血管拡張説」。夏など暑い時期は、体温を調節するために血管はやや細めになっている。そこへ冷たいものが急に口に入ることによって神経が強く刺激され、血管はいったん縮んだあと、逆に異常に太くなってしまうのだ。そのため脳を包んでいる硬膜という脳と脊髄を覆う膜が引っ張られ、脈拍にあわせてズキズキと痛むという。もう一つの説は「三叉神経説」と呼ばれる。冷たさの刺激は神経を通じて脳に伝わるが、冷たいものを急に食べると、のどの奥にある「三叉神経」への刺激が強すぎるために情報が混乱し、「冷たさ」が「痛み」に、「口のなかへの刺激」が「前頭部への刺激」に誤って伝えられてしまうというものだ。現在では、このどちらもが正しく、同時に起こっているのでないかと考えられている。予防法としては、一度にたくさん口にしないのはもちろん、食べるときになるべく上あごを冷やさないようにすることがポイントだそうだ。クッキーなどと一緒に食べたり、舌を上あごに押し付けるなどして温めると効果があるようだ。ちなみに偏頭痛持ちの人はこの「アイスクリーム頭痛」が起こりやすいという研究報告もある。そのため、偏頭痛持ちであるかどうかの鑑定に利用しようとしたこともあるそうだ。また、冷たいもの以外にも、熱い飲み物や食べ物を食べたとき、炭酸飲料、チョコレート、赤ワインなど特定のもので頭痛が起こる人もいる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820469 |