恐竜②
【きょうりゅう】
ワニやトリの色から決定されていた恐竜の皮膚の色
映画に出てくる恐竜は種類によって様々な色をしているが、化石しか見つかっていない恐竜の色はどうやって決められたのだろうか。基本的には恐竜から進化したとされている、現在の動物たちの姿から類推している。たとえば、皮膚にウロコや羽があったかどうかは化石から判断することができるので、ウロコがある場合はワニなどの爬虫類を、羽がある場合には鳥類を参考に考えられている。爬虫類の仲間は黒色素胞、黄色素胞、赤色素胞、虹(白)素胞の四種類の色素細胞を持っていて、それぞれのあらわれ方の強さによって、様々な色になる。全身が同じような色になるわけではなく、シマヘビのように模様が出たりすることもある。まれに色素細胞がないアルビノと呼ばれる個体が誕生することもあり、その場合は体中が白くなる。つまり、オレンジやピンク、緑などカラフルな恐竜や、ストライプ、白い恐竜などがいたかもしれないということだ。カメレオンやアマガエルなどのように、環境に応じて体の色を変化させられる種がいてもおかしくはない。また、羽がある恐竜は熱帯雨林の鳥のように原色のド派手な色をしていたとも考えられる。実際、恐竜は絶滅したのではなく、鳥に姿を変えて生き残っているのだという説もあるのだ。さらに近年、恐竜は変温動物ではなく、哺乳類のように外気の温度に関係なく常に一定の体温を保つことができる恒温動物だったのではないかという説が出てきている。もしそうであれば、黒色素胞しか持っていなかった可能性もあるが、黒色素胞とはいっても黒だけではなく、微妙な色合いを出すことができるのだ。残念ながら実物を確かめるわけにはいかないが、このように想像を膨らませてみると、恐竜のいる世界がずいぶんと楽しげに見えてくる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820234 |