カレー
【かれー】
ククレカレーの「ククレ」は、「クックレス」から
いまのようにいつでもどこでも手軽に食べ物が買えるわけではなかった頃、買い置きの定番といえばラーメンだった。そこへ「お湯で温めるだけでカレーができる」という画期的な商品があらわれたのは一九六八(昭和四三)年。大塚製薬が世界で初めてのレトルトカレー「ボンカレー」を発売したのだ。その三年後、ハウス食品が「ククレカレー」を発売。名前の由来は「クックレス(調理しなくていい)カレー」から。これを読みやすいように縮めて、ククレカレーとしたのである。家庭料理が当たり前だった時代のこと、「手抜き」というイメージのあったレトルト食品市場はなかなか成長せず、当初ククレカレーはかなり苦戦した。しかし販売戦略を大きく転換し、イメージチェンジを実施。甘口は赤、辛口は黄色のパッケージに変えてタレントの和田アキ子さんをテレビCMに起用したところ、知名度も大きくアップしたそうだ。一九七六(昭和五一)年以降、年末年始に流されたテレビCMのキャッチフレーズ「おせちもいいけどカレーもね!」はキャンディーズの起用とともに話題となり、ククレカレーは一気に販売実績を上げていった。その後もキャンディーズはククレカレーのCMに出演し続け、解散の際には「忘れられないキャンディーズ 忘れられないククレカレー」というCMも流れた。なお、現在では宇宙への進出も果たしている。ハウス食品が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から委託を受けて開発を進めてきたレトルトカレーは、ビーフ、ポーク、チキンの三種類だ。宇宙では重力による抵抗がないため、筋肉が毎日一パーセントずつ落ちていくなど、地上よりも体力の消耗が激しいことを考慮して、骨をつくるカルシウムや抗酸化作用のあるウコンを強化。また、味は、ストレス環境下でもうまみを感じるように、辛口に仕上げたという。食べ方は、温めたレトルトパウチを持って、スプーンで食べるものだった。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820195 |