ガラガラヘビ
【がらがらへび】
自分自身は、自分の出す音が聞こえていない!
アメリカ大陸に生息するガラガラヘビは毒蛇で、その名の通り、ガラガラという大きな音をさせて威嚇する。音が鳴るしくみは、脱皮のときの殻の一部が尾にくっついたままになっているため、尾を振るわせると、殻も一緒に震えて、ガラガラという音が出るわけだ。この脱皮殻は、何層にも重なっているが、古くなると抜け落ちるようになっている。おもなガラガラヘビには、ヨコバイガラガラヘビ(サイドワインダー)、ダイヤガラガラヘビ、アメリカヒメガラガラヘビなどがいる。ガラガラヘビの音は、二〇メートル先までも聞こえるほどで、この音を聞けば、たちまち小動物などは逃げ出してしまう。威嚇音としては十分な効果を発揮するが、意外なことにヘビ同士には通用しない。なぜなら、ヘビには聴覚がないからだ。どんなに大きな音をたてようとも、当の本人であるガラガラヘビには、自分がどんな音を出しているか、まったくわからない。同様に、仲間のヘビにもその音は聞こえないのだ。では、どんなときにガラガラヘビは音を出すのかというと、ほかのヘビと同じように、びっくりしたり、身の危険を感じたときだ。一説には、ヘビにもストレスがあり、人間がストレスを感じると、大声を出したり、うろうろと歩き回るように、ガラガラヘビはガラガラと音を出すのだともいう。ここで、はたと気づいた方もいるだろう。よくコブラ使いなどが笛を吹いて、ヘビを踊らせているが、実際には、ヘビには笛の音は聞こえていない。だから、足踏みやかごをたたくことで振動を起こして、ヘビを動かしている。ヘビは、敵に向かって正面から動く習性があるので、さも笛の音に合わせて踊っているように見えるだけなのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820191 |