カニみそ
【かにみそ】
カニみその「みそ」は、実は膵臓と肝臓
ゆでたカニの甲羅をぱかっと取るとあらわれる、あの濃密なこくのあるカニみそ。カニみそという言葉から、あのこってりとしたカニの「みそ」は脳みそだと思っている人もいるかもしれないが、実は、あれはカニの膵臓と肝臓である。カニは、人間と同じように膵臓と肝臓がそれぞれ機能しているわけではなく、カニみその部分は「中腸腺(肝膵臓)」と呼ばれる臓器。一つで両方の働きをしている。消化や吸収を助けて栄養分を貯蔵する臓器なので、うまみが凝縮されているので味わい深いのだ。この中腸腺はカニだけでなく、イカやタコ、貝なども持っている。イカの塩辛に使われている「ゴロ」も中腸腺である。この中腸腺、フォアグラやアンキモと同じく脂肪やグリコーゲンなど栄養分を豊富に含む栄養満点の食品だ。また、甲羅をはずしたときに、黄色いトロッとした部分が出てくることがあるが、これはカニが古いわけではなく、「内子」と呼ばれるメスの卵巣。この内子に受精して腹部に卵を抱えると、「外子」と呼ばれるカニの卵ができる。新鮮なみそを選ぶコツは、オレンジ色に近い色を選ぶこと。甘みがあって風味が強いのでおいしく味わえる。逆に時間がたったものは黒く変色して、苦味が増える。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820177 |