肩こり
【かたこり】
日本人に肩こりが多い理由
日本人の成人の三分の二は肩こりを訴えているという。しかも女性は男性の二倍以上も肩こりで悩んでいるというから、これは立派な国民病ともいうべき病気である。テレビ番組や健康雑誌などでもよく肩こり対策の特集などが組まれており、頻繁に情報が流れているのも、実際に肩こりがひどくて困っている人が多いからだろう。だが、この肩こり、欧米諸国やアメリカでは、あまり話を聞いたことがない。とくにアメリカにおいては、「肩こり」に匹敵する単語がないくらいだから、その認知度は低いともいえるほどなのだ。なぜ肩こりは日本人に多い症状なのか?理由はいくつかあって、まず一つは、もともと日本人の体型は、体が華奢なつくりの割に頭は大きいため、均整が取れていないこと。次に、お辞儀やデスクワーク中心の社会のあり方や、それ以外にも様々な要因で肩にストレスがかかるような生活を強いられていること。さらには、人種として低血圧、冷え性の人が多く、とくに女性の場合は、筋肉の疲労があると血行が悪くなって、悪循環になりやすいということが挙げられるという。こんなおもしろい話もある。アメリカの留学生が日本に来て、それまで知らなかった「肩こり」という言葉を知った。もちろん「肩こり」という言葉を知っても当初は意味がわからなかったのだが、やがて日本人と同じような生活を続けるうちに、本当に肩こりになってしまったという。私たち日本人が肩に負担のかかる生活の仕方をしているというのは本当のようだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820163 |