カストロ
【かすとろ】
暗殺者に六四回も命を狙われたキューバの首相
キューバ革命を成功させて首相に就任したフィデル・カストロ。一日に葉巻を半箱吸うほどのヘビースモーカーとして有名だったが、国民に禁煙運動を促すために、現在は禁煙中という。二〇〇六年七月に腸内出血のために緊急手術を受け、現在は弟のラウル・カストロが暫定的に代行を務めている。革命の立役者というと、いかにもたくましいイメージだが、実際のカストロは、なかなかの強運の持ち主である。公式に確認されただけでも、六四回もの暗殺計画があったことがわかっている。そのどれもが失敗に終わったわけで、いかにカストロが用心に用心を重ねた生活を送っているかがうかがわれる。しかし、なかにはドラマのような暗殺失敗例もある。暗殺者として送り込まれたブルネットの美女は、その使命も忘れて、すっかりカストロの魅力の虜になってしまった。カストロの命を狙うどころか、カストロにまとわりついて離れなかったという。ある暗殺者は、カプセルに毒薬を入れておき、そのカプセルをコールドクリームのなかに隠しておいた。ところが、そのカプセルがクリームの油分で溶けてしまい、使い物にならなくなり、あえなく失敗となった。化学爆弾が打ち込まれたこともある。しかし、爆弾はカストロには命中しなかった。かわりに、爆弾に積み込まれていた毒薬が首相官邸の木にまきちらされ、木が枯れてしまったという。ミルクセーキに毒薬を入れるという方法もあった。ところが、何を思ったのか、暗殺者がミルクセーキを冷凍庫に入れてしまったために、カストロが飲むことができず、結果として命拾いをしたというものもあった。時限爆弾を仕掛けておいたのに、カストロが在宅の間には、なぜか爆発しなかったというのもある。この真偽はさておき、カストロには強力な守護神がついているといえなくもない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820162 |