火山灰
【かざんばい】
桜島の周辺住民は、降り積もった灰を分別ゴミとして出す
火山国の日本では、ときに爆発が起こって新しい火山が誕生したり、何十年かに一度の爆発でかなり遠くまで灰を降らせたりというのが歴史に記されている。その日本国内で、途切れることなく火山に悩まされている土地がある。いまも元気に煙を噴き上げている桜島のある鹿児島市だ。悩みの原因は火山灰である。たとえば、洗濯をしたら、その日の桜島の煙の量と風向きを見て、灰が降ってこないのを確かめてから干さなければならないというくらいである。こうして降った灰は、庭にも家の屋根にも道路にも積もる。激しい降灰があったときは、家の玄関先や道路を、まるで落ち葉でも掃くように掃除して灰をかき集めなければならない。では、その集めた灰はどうするかというと、落ち葉のようにゴミ袋に入れて可燃ゴミ収集の日に出す……というわけにはいかない。鹿児島市では、灰は分別ゴミである。灰専用の「克灰袋」というのがあって、それに詰めて、市の指定する灰置き場に持っていく。そこに置いておけば、鹿児島市の担当部局が集めて回って処分してくれる。こんな灰置き場が、鹿児島市内には五五〇〇カ所以上設置されている。また、一定以上の降灰があった地域の一般家庭には、市の環境衛生課が克灰袋を配布してくれるし、地域が一丸となって降灰除去作業をするときは、申し出ると不足分の袋を提供してもらえる。鹿児島市は、ほかの自治体にはない予算として、克灰袋の費用を計上しておかなければならないわけだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820160 |