駅長
【えきちょう】
東京、新横浜、小田原、熱海などの駅には、駅長が二人いる
東京駅から大阪に向かうときと、新潟や山形などに向かうときでは、新幹線の切符売り場が違うことに不便を感じている人もいるだろう。これは一九八七(昭和六二)年に国鉄がJRになって以来、東京駅では、在来線のすべてと東北・上越・長野新幹線はJR東日本のものだが、東海道新幹線だけはJR東海の所属となったためである。そのため、駅の構内はJR東日本とJR東海の管轄するエリアに分かれていて、それぞれに駅長がいるのだ。もちろん、駅長室も二つあり、JR東日本の駅長室は丸の内中央口と丸の内南口の間、JR東海の駅長室は東海道新幹線一八番ホームの下になっている。二つの会社は独立採算制になっているため、利用者にとっては切符売り場のほかにもいろいろと不便なことが多いのも事実である。たとえば、東海道新幹線の切符がJR東日本の売り場で売れるとJR東海は東日本に手数料を払わなくてはならない。それを嫌ったJR東海は、東日本の売り場のすぐそばにある自社の管轄内に小さな売り場を設けている。これがまた利用者にとっての混乱につながるのだ。また、弁当も自社の管轄するエリア内では相手の系列会社のものは売っていない。おもしろいのは、東京駅には「日本橋口」という改札が両者のエリア内に一つずつあるのだが、東北新幹線ホームの下にある改札には「JR東日本」、東海道新幹線ホーム下にある改札には「JR東海」と書き添えられていること。お互いに縄張り意識もあるのだろう。こうした駅は東京駅のほかに、新横浜駅・小田原駅・熱海駅(JR東日本とJR東海)、米原駅・京都駅・新大阪駅(JR東海とJR西日本)、小倉駅・博多駅(JR西日本とJR九州)と全国で九駅ある。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820096 |