地方分類と郷土料理5
[カンパーニャ州]
州都はナポリ。最も代表的な料理はナポリ風ピッツア。薄い生地のローマ風とは対照的に、厚めでもちもちしている。「マルゲリータ」(P78)は特に有名。モッツァレッラ・チーズとトマトを使った「カプレーゼ」(P28)は代表的なアンティパスト。全体に魚介やトマトソースを使った料理が目立つ。
[バジリカータ州]
山岳地帯が多く、羊や山羊の放牧が盛んで、さまざまなチーズが作られている。調理にはトウガラシを多用する。
[プーリア州]
長靴型をした半島の踵に位置するこの州は、オリーブオイルやセモリナ粉を量産。この粉を使ったさまざまな形のパスタが有名だ。とりわけ耳たぶのような形のショートパスタ「オレッキエッテ」(P166)はよく知られている。アドリア海に面しているためウニやカキなど魚介類も豊富。
[カラブリア州]
本土の最南端に位置し、魚介類が豊富。全体にトウガラシをきかせた料理が目立つ。
[シチリア州]
ギリシャ、ローマ、アラブなどさまざまな民族に支配されてきた島の歴史的背景が料理にも表れている。おもな食材はオリーブオイルと新鮮な魚介類。前菜では多種類の野菜を煮込んだ「カポナータ」(P35)、シチリア風ライスコロッケ「アランチーニ」(P38)、プリモではイワシ入りパスタ「パスタ・コン・レ・サルデ」、セコンドではカジキマグロの料理などがよく知られる。ドルチェでは「ジェラート」(P124)や「グラニータ」(P125)、「カッサータ」(P127)、「カンノーロ」(P121)など。
| 東京書籍 (著:岸 朝子) 「イタリアン手帳」 JLogosID : 8541008 |