地方分類と郷土料理2
[ロンバルディア州]
州都はミラノ。ポー川流域はイタリア有数の穀倉地帯で、酪農・畜産業も盛ん。チーズは「グラナ・パダーノ」(P172)が有名。プリモには、サフランで仕上げた色も鮮やかな「ミラノ風リゾット」(P73)や、野菜や豆を煮込んだ具沢山のスープに米も加えた「ミラノ風ミネストローネ」(P46)、特産野菜のカボチャをペースト状にして詰めた平たいパスタ「トルテッリ・ディ・ズッカ」など。セコンドにはミラノ名物の仔牛料理「オッソブーコ」(P106)や、ミラノ風仔牛肉のカツレツ「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」(P103)など。「パネットーネ」(P130)はミラノのクリスマスケーキ。今はイタリア全土で売られている。
[トレンティーノ= アルト・アディジェ州]
南チロル地方に属し、公用語はドイツ語。レストランでもドイツ料理の特色が色濃い。
[ヴェネト州]
州都はヴェネツィア。東はアドリア海、北は山岳地帯に囲まれ、海山の幸に恵まれた土地。アンティパストでは、「バッカラ・マンテカート」(水で戻した干し鱈をすりつぶしオリーブオイルやニンニクで煮詰めたもの)など。プリモでは「リジ・エ・ビジ」(米にグリーンピースを加えて煮たリゾット)や「リゾット・アル・ネーロ・ディ・セッピア」(イカスミのリゾット、P75)など。グラッパの故郷バッサーノ・デル・グラッパではホワイトアスパラガス(P191)が春の旬の素材として親しまれ、オリーブオイルと潰したゆで卵をあえたシンプルなソースで食べるのが一般的。
[フリウリ= ヴェネツィア・ジューリア州]
州都は港町トリエステ。オーストリア、スロヴェニアと国境を接し、隣国の食文化が共存する。
| 東京書籍 (著:岸 朝子) 「イタリアン手帳」 JLogosID : 8541005 |