【すし手帳】魚卵など >
いくら


秋、故郷に帰ってきたサケが抱える卵は、産卵が間近になるほど大きく、皮もかたくなって食用には適さない。そこでいくら用には、おもに沿岸の定置網で獲れたサケの、まだ皮がやわらかい卵を使う。
写真(北海道産)のいくらは、粒の大きさほどよく歯ざわりはねっとり、脂と塩気のバランスがいい。生気に満ちた甘さに「もう一つ」と後を引く。
かつていくらには完熟の卵巣卵、筋子には未熟な卵巣を用いたが、現在では卵巣をほぐせばいくら、ほぐさなければ筋子と呼ぶようだ。 * 「旬」表示を含め、データはすべてサケ。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003084 |