【すし手帳】白身など >
おこぜ
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「きれいなバラには棘がある」というけれど、オニオコゼときたらキレイどころかこの悪相なのに棘だらけ。背びれの棘には猛毒まで持っている。でもひと口食べれば、そんな防御態勢のナゾも氷解。奇怪な姿に秘められた、類いまれな美肉をガードしているのだ。
まるで十二単衣の裳裾を引いているかのような、半透明の身の優美さ。身はやわらかくそっと歯にまとわって、さらっとした甘さとほんのわずかな潮っ気が舌にしみる。
美しい握り姿と身の繊細さを同時に味わうには、生醤油よりもやはりぽん酢が向いている。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003016 |