【すし手帳】貝 >
さざえ


写真は静岡県伊豆産の活きサザエを生のまま握ったもの。ご覧のとおり見た目はよくないし、歯ごたえもほとんど「かたい」といっていいくらいだ。しかし姿からするほど磯の香はきつくなく、何よりも、食べてしばらく後に忍び寄ってくる、淡くやさしい甘さがいい。波に揉まれながらこんなに上品な味を育むなんて、感動ものです。
ところでサザエには、殻にとんがった角をニョキニョキ生やしたものと、角がなくて「角なし」「丸腰」と呼ばれるものがある。波が荒い外界では角が出るが、波が穏やかだと角は出ないといい、味には特に変わりはない。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003082 |