【すし手帳】貝 >
まだかあわび


地方名の「またげえ」は〈背の高い貝〉の意の房総方言。g i a n tと英名にあるとおり、アワビの仲間ではわが国最大、世界でも2番目に大きく、成長すれば重さ4㎏に達する。しかし漁獲量は少なく、市場にもそう多くは流通していない。
加熱するといっそう味がよくなることから、写真(神奈川県城ヶ島産)は蒸し鮑同様、丸のまま酒と昆布だしで2?3時間ほど蒸してある。肝をのせた身はしゃきっと心地よい歯ごたえ。味は切れがあって簡潔、雑味はまったくない。潮で洗ったような、せいせいした後味もいい。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003066 |