【全国五つ星の手土産】北陸・甲信越 > 長野県
初霜[不二屋]
【はつしも】

厳寒の地の故郷の温もりがある
真っ白で軽やかな氷餅菓子
![初霜[不二屋]](../img/d054/temiyage179.jpg)
諏訪の名物に、氷餅がある。餅を凍らせ、寒風に晒して作るもので、冬の寒さの厳しい土地ならではの伝統食だ。昭和3年(1928)から続く地元の老舗菓子舗・不二屋は、それを使って上品な干菓子を作り上げ、初霜と名づけた。小さい氷餅に砂糖蜜をかけただけの簡素なものだが、今では諏訪の代表銘菓として知られる。
手にすると、驚くほど軽い。名のとおり純白に光り輝き、食感もまた独特だ。周りはややかたく、歯を立てると、かさっとまさに霜柱を噛みしめるよう。中はふわっとやや粘りを帯び、それでいてまとわりついてはこない。素朴な砂糖の甘みと氷餅特有のひなたくさい香りが、どこか懐かしく優しい気分にさせてくれる。湯をかけるととろりと葛湯のようにいただける。ほかに、信州ならではの郷土菓子を、と生み出されたのが、その名も郷愁。信州味噌を塩釜と合わせ、上品な逸品に仕上げている。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071778 |