【東京-五つ星の蕎麦】郊外の名店厳選10軒 > あきる野市

寿庵 忠左衛門
【じゅあん　ちゅうざえもん】

古格ある店で斬新な味を

五日市で１００年余もつづく老舗の製麺所・寿美屋の母屋などを利用して、平成７年に開店した。秋川渓谷の入り口に建つ店は緑濃い奥多摩の風景にとけ込んで、古格と落ち着きにあふれている。女将の岸和江さんは、伊東の「一茶庵」でそば打ちを学んだ人。今でこそ自分ではそばを打たないが、そば打ちの目利きに狂いはない。そばは更科のしらゆき、太打ちの田舎、おせいろの３種があり、つゆは一茶庵流に寿美屋伝来の技法を加味した、独自の方法でつくっている。

料理長の村田正博さんは研究熱心だ。季節の素材にひとひねりもふたひねりも加えながら、斬新かつ繊細な料理を次々と創出する。どの料理も旬の味、季節感がいっぱいで、組み合わせる器もバリエーション豊かで楽しい。そんなだから、そばはもちろん料理に期待して訪れる人も多く、行楽日は混み合う。料理はどれも量が多め。何品かを２～３人でシェアして食べるのにもぴったりだ。

東京書籍 (著:見田盛夫／選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071303